シェフをはじめとする気鋭のスタッフらによる「ここだけの話」を語りつなぎます。
「デキャンタージュ」
今回は、前回に引き続きレストラン「ロワール」でのワインの楽しみ方についてご紹介いたしましょう。
ソムリエの仕事のひとつに、お客さまからご注文いただいたワインを抜栓後にろうそくなどの光や特殊な器具を用いて、デキャンター(Decanter)と呼ばれるガラス製の瓶に優雅な所作で移し替える“デキャンタージュ”があります。実はこの技法、周りのお客さまの視線を集めてしまいますから、ソムリエにとって腕の見せどころでもあります。
この“デキャンタージュ”には3つの意味があります。1つ目は長期間瓶熟成したワインに多くみられるワインボトルの底に生じた不純物〈澱(おり)〉を分離し、上澄みのみを移し替えること。2つ目は瓶熟成の時間が短い比較的若いワインを空気に触れさせることでワイン本来の風味を目覚めさせること。3つ目はお客さまのお食事をより華やかなものにするための演出としての意味です。
赤ワインを用いて行うのが一般的ですが、実は白・ロゼ・シャンパーニュでも、ヴィンテージやブドウ品種などワインのタイプにより様々な技法でデキャンタージュを行うこともあります。ボトルでワインをご注文される際には“ぜひ優雅なデキャンタージュを”とソムリエにお申し付けください。きっと最良の状態でワインをお召し上がりいただけることでしょう。